2018.6.18大阪北部地震の支払保険金は総額どのくらいになる?

2018.6.18大阪北部地震の支払保険金は総額どのくらいになる?

2018.6.18大阪北部地震では約443億円を支払済み(7.17時点)

2018年6月18日に起きた大阪北部地震では、1か月で約6万件、約443億円の保険金支払が行われたとのことです。(損保協会より
1件あたりにすれば約73万円になります。また、6万件という件数については、問い合わせのみも含まれており、結果的に地震保険金が支払われていないものも含まれています。

7.17時点での事故受付件数は109,277件、調査完了件数(相談・問い合わせも含む)は81,099件、保険金支払件数は60,463件、支払保険金は約443億円となっています。

中でも大阪府の事故受付件数が93,266件と全体の約85%を占め、支払保険金は約391億円と全体の約88%を占めています。

なお、この数字は損害保険協会会員である損害保険会社31社の合計となります。別途、JA共済では7.18時点で事故受付件数26,171件、見込みの支払保険金額は総額で約300億円と見ているとのこと。

地震保険の認定基準と現地調査

たとえば建物保険価額2000万円の住宅用火災保険を契約していた場合、地震保険金額は600万円~1000万円の範囲で付保できます。仮に地震保険金額が1000万円で、全損と認定されたら1000万円が支払われますが、一部損と認定されたら5%の50万円しか支払われません。

▼地震保険「建物」の認定基準

損害の程度 認定の基準 支払われる地震保険金の割合
全損 建物主要構造部が時価額の50%以上損害または延床面積の70%以上の焼失または流失 100%
大規模半損 建物主要構造部が時価額の40%以上50%未満損害または延床面積の50%以上70%未満の焼失または流失 60%
小規模半損 建物主要構造部が時価額の20%以上40%未満損害または延床面積の20%以上50%未満の焼失または流失 30%
一部損 建物主要構造部が時価額の3%以上20%未満損害または床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水をうけ損害が生じた場合 5%

住宅物件であれば、建物のほか「家財」も保険の対象になります。家財の保険金額は一般的に建物の保険金額よりも小さいケースが多いので、家財に対する地震保険支払いもあわせて考えれば、今回の大阪北部地震においては、平均の支払保険金額が73万円だとすると、一部損の認定が多かったのではないかと推測されます。

今回の地震被害では各保険会社は、全件の現地調査を実施していました。通常時であれば、損害のあった物件については小損害(概ね100万円以下)である場合、写真や報告で損害が確認できれば保険会社はあまり現地調査をしないものです。

しかし地震による被害確認については、建物の主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の程度を見極める必要もあるため、契約者(被保険者)とのトラブル防止のためにも全件の現地調査を行ったのでしょう。

全件現地調査をするということは、それなりの人員を投入する必要があります。普段損害調査を行っていない職員も応援として不慣れな現地調査をすることになりますが、あいおいニッセイ同和では「視界共有システム」を導入して、損害認定にかかる時間を短縮できたといいます。

現地ではスマホ等で動画を撮影して、バックアップセンターでは損害鑑定人が効率よく認定をしていく仕組みです。

同社はちょうど、2018年6月11日に、この「視界共有システム」についてプレスリリースをしており、その後の6月18日に地震が起きて、早速活用できたわけですね。

ただ、東日本大震災の津波被害のエリアについては現地調査をするまでもなく航空写真と住所にて全損と確認できたため、現地調査をするかしないかは、被害状況次第ということになるのでしょう。
東日本大震災

「保険金の請求漏れはないですかー!?」という案内

今回の地震で各保険会社では、かなり念入りに保険金請求漏れがないよう顧客へアナウンスしています。

保険は基本的に”請求主義”とされており、顧客から保険金請求がなされない限り保険会社は事故があったことを知る由もないわけですが、地震被害についてはエリアが明確であるため、問い合わせのない顧客に対しては、保険会社から「保険金の請求漏れはないですかー?」という案内をしています。

保険会社によってアプローチ方法は差がありますが、大きな揺れのあった地域に対象物件があり地震保険に加入している顧客のうち、問い合わせもない人に対しては電話を掛けたり、少なくとも案内文書を送ったりしています。

▼(例)セコム損保の案内

地震保険にご加入のお客様へ

謹啓 このたびの地震により被災された皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
さて、弊社では地震発生以降、地震保険にご加入いただいているご契約者様に対して、補償内容と
保険金のご請求方法をご案内する取り組みを進めております。
お客様におかれましては、弊社に下記の地震保険をご加入いただいておりますので、保険金のお支
払いの可否を含めたご確認を進めさせていただきたく、ご連絡を申し上げました。




過去の大きな地震による地震保険金一覧(支払額順)

  地震名等 発生年月日 支払保険金
(単位:億円)
1 平成23年東北地方太平洋沖地震 2011年3月11日 12,749
2 平成28年熊本地震 2016年4月14日 3,753
3 平成7年兵庫県南部地震 1995年1月17日 783
4 宮城県沖を震源とする地震 2011年4月7日 324
5 福岡県西方沖を震源とする地震 2005年3月20日 170
6 平成13年芸予地震 2001年3月24日 169
7 平成16年新潟県中越地震 2004年10月23日 149
8 平成19年新潟県中越沖地震 2007年7月16日 82
9 福岡県西方沖を震源とする地震 2005年4月20日 64
10 平成15年十勝沖地震 2003年9月26日 60

(損保協会HPより)

大阪北部地震は7317時点で約443億円の保険金支払がありますので、既に上から4番目です。これは被害の規模というよりも地震保険の付帯率が上がってきたためと考えられます。

(2018.10末追記)
損保協会によれば、大阪府北部地震では、保険金支払が946億円になったとのこと。
阪神・淡路大震災を抜いて、3番目に多い地震保険金支払となりました。
やはり、地震保険の付帯率が影響しているのでしょう。

壊れたらまた建てればいいというスクラップアンドビルドが日本人の住宅に対する伝統的精神だという意見もあるようですが、どうやらそういう意識も変わってきていると私は思います。

(注)当サイトでは保険について一般的と思われる内容を記載しております。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。

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