11/19に損害保険会社各社の上半期(中間)決算が発表されました。
9月までの大型台風等の影響により損保会社合計で1兆円を超える保険金支払が見込まれるとあって、わたしの予想としては各社赤字になるのかなと思っていましたが、どうやらそうでもないようです。
↓2018年4-9月
連結経常利益 | 連結純利益 | 最終純利益見通し | ||
東京海上HD | 751億円 | 539億円 | ⇒ | 3200億円 |
SOMPOHD | 278億円 | 221億円 | ⇒ | 1700億円 |
MS&ADHD | 753億円 | 463億円 | ⇒ | 2000億円 |
通期見通しとしては、SOMPOホールディングスが最終利益見通しを下方修正、東京海上ホールディングスとMS&ADは通期見通しを維持したということです。
あれだけの被害があったのに赤字どころか2グループは最終利益の見通しは維持というからすごいですね。というか、顧客から「保険料取りすぎてるんじゃない?」という批判も出そうです。
2019年秋に保険料を5%前後上げる見込みというけどそんな必要ないんじゃない?と感じる方もいるでしょう。
しかしながら、内訳をよく見てみるとグループ全体では利益が出るけど、国内損保事業だけ切り取るとやはり赤字だったり、利益が少なかったりするようです。
たとえば東京海上HDの損保会社である東京海上日動単体の保険引受成績を見ると、このようになっています。
(単位:百万円)
ざっくり、収入保険料が1兆円で、支払保険金が6240億円、その他経費(社員給与も含め)を差し引くと、マイナス1140億円となっています。
単純に、国内損保事業だけだとやはり大赤字だったのですね。ちなみ前年の中間決算では保険引受利益は110億円ほどの黒字だったようです。
これでは事業は立ちゆきませんので、資産運用等に加え、ホールディングスとしては、生命保険子会社、海外事業なども含めてトータルで今のところ539億円の純利益になっている、ということです。
↓東京海上HD
(単位:百万円)
海外保険会社の純利益額が824億円と突出していますね。
ほかの損害保険会社グループも、年間トータルでは1700億円とか2000億円の純利益を見込むとなっていますが、損保事業だけでなく生保事業や海外事業、その他事業を含めて数字をつくっている、ということなのですね。