保険は1年間に何度も請求できるのですか?

保険は1年間に何度も請求できるのですか?

事故にあって保険金請求をし、その後、同じ保険の保険期間内に同様の事故にあった場合、問題なく再度保険金請求できるのでしょうか?

結論からいえば、その保険契約が有効である限り、保険金請求は可能となります。ただし、保険をつかうと次回更新時の保険料が上がったり、条件が悪くなる場合がありますので、保険をつかう場合には、保険代理店または保険会社に確認してみましょう。「保険をつかったら次回更新はどうなりますか?」と。

自動車保険(ノンフリート(9台以下の)契約)の場合

自動車保険は多くの方(または企業)が加入していて、事故も多い保険種類なので、保険をつかったら翌年の保険料に影響があるということをなんとなく皆さん理解していると思います。どんな事故でも一律に等級が3つ下がると思いこんでいる方も多いのですが、実は事故の種類に応じて次回の等級の変わり方は次のように異なります。

▼参考:2018.1東京海上日動TAPパンフレットより

1等級ダウン事故
①車両事故(車内携行品補償特約にかかわる事故を含みます)のうち、火災・爆発・窓ガラス破損、盗難、騒じょうや労働争議に伴う暴力行為または破壊行為、台風、たつ巻、洪水、高潮、落書、いたずら、飛行中または落下中の他物との衝突、その他偶然な事故、「地震・噴火・津波危険「車両損害」補償特約」にかかわる事故
②上記①とノーカウント事故の組み合わせの事故
ノーカウント事故
以下にかかわる保険事故または以下の組み合わせの保険事故をいいます。
対人臨時費用、無保険車事故傷害特約、入院時選べるアシスト特約、人身傷害保険、人身傷害の他車搭乗中および車外自動車事故補償特約、車両搬送・レンタカー費用等補償特約(15日)、レンタカー費用等補償特約(事故時30日)、搭乗者傷害特約(一時金払)、法律相談費用補償特約、弁護士費用特約、搭乗者傷害特約(日数払)、ファミリーバイク特約、個人賠償責任補償特約、自転車障害補償特約(一時金払)、車両無過失事故に関する特約によりノーカウント事故として取り扱われる事故、地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約、被害者救済費用等補償特約
3等級ダウン事故
1等級ダウン事故およびノーカウント事故のいずれにも該当しない事故をいいます。

車両保険をつかう事故だったり、対人・対物事故の場合、3等級ダウンとなります。運転者の過失が伴う事故、と考えると分かりやすいと思います。自然災害や盗難など自分に過失のないような事故で車両保険をつかう場合は1等級ダウン、その他、レンタカー費用のみとか、自身の傷害のみとか、自動車運行に関係ない日常生活での事故時に機能する個人賠償責任補償などをつかう場合はノーカウント事故として、翌年の保険料に影響がなく、さらに事故がなかったときと同じように等級がひとつ進みます(他に事故がなければ)。

1年間にどんな事故で保険を何回つかったかで翌年の等級に影響し、保険料が決まってきます。

火災保険の場合

保険会社によっても、保険商品によっても火災保険の規定は微妙に違うと思いますが、一例を紹介します。たとえば、東京海上日動の2017.1企業財産包括保険の約款には以下のように記載があります。

第13条(保険金支払後の保険契約)
(1)第2条(この特約の補償内容)に規定する損害保険金を支払った場合は、保険金額からその支払った額を差し引いた残額を損害が生じた時以後の保険期間に対する保険金額とします。
(2)1回の事故につき(1)に規定する残額が保険金額の20%未満となる損害が発生した場合は、その時にこの保険契約は失効します。

つまり、保険をつかったら、残りの保険期間については契約時の保険金額から差し引きますね。そして、契約時の保険金額のうち80%以上保険金として支払われたらこの保険は終了(失効)します、ということです。なお、東京海上日動の企業財産包括保険は失効後は未経過期間に応じた一定の保険料返還があるようですが、保険料の返還がない保険会社・保険商品もあります。

事業用物件に対する火災保険については、その契約者(または被保険者)における過去の損害率等を鑑みた割引が適用されているケースがあります。事故によって保険金支払いがあると次回の更新時にその割引がなくなったり、割引幅が少なくなったりすることがあります。自動車保険と違って、正式な見積もり段階でなければ、具体的な次回保険料は答えにくいところですが、保険をつかった場合、どのぐらい保険料が上がりそうか保険代理店または保険会社へ聞いてみるとよいと思います。

また、自動車保険(ノンフリート(9台以下の)契約)と違って、〇回保険を使ったら保険料が上がる、ということではなく、いくら保険金が支払われたか、または再発の可能性がどれだけあるか等によって適用される割引率が変わる場合がありますので、特に大規模な事業用物件については交渉の余地があるところです。

一方、個人向けの住宅に対する火災保険については過去の損害率による割引という考え方はありません。事故があっても翌年の保険料が上がるということはほぼありません。

賠償責任保険の場合

賠償責任保険の場合、たとえば以下のように支払限度額が設定されます。

保険期間中の限度額が、1契約での支払限度額になりますので、この金額を使いきってしまったら終了、ということになります。賠償責任保険の中には、保険期間中の支払限度額の設定がないものもありますので、その場合は何度でも保険はつかえることになります。ただ、賠償責任保険も火災保険と同様にその契約者(または被保険者)における過去の損害率も考慮して次回の保険料が決まる場合もありますので、基本的には事故や保険をつかうケースを減らす努力が欠かせません。

まとめ

企業で契約する損害保険については立地や設備状況等から、その企業特有の事故の傾向(ex.落雷事故が多い、風災事故が多い、雪災事故が多いなど)がありますので、保険会社も一律の保険料ではなく、特に大規模な火災保険や賠償責任保険で損害率が良好であれば、リーズナブルな条件を提示してくれる場合があります。ただし、自動車保険(ノンフリート(9台以下の)契約)については、事故実績に応じた予め決められた割引等級が適用されます。

いずれの場合も、保険契約が有効である間は複数回保険金請求することができますが、保険をつかった後、次回の更新保険料(または契約条件)にどれだけ影響してくるかは、保険をつかう前に確認しておくとよいでしょう。

(注)当サイトでは保険について一般的と思われる内容を記載しております。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。

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