損害保険会社が破綻したら保険契約はどうなりますか?

損害保険会社が破綻したら保険契約はどうなりますか?

損害保険会社が破綻したら損害保険契約者保護機構の出番

銀行が破綻したらペイオフ方式によって元本1,000万円までは最低保護される仕組みです。

では、損害保険会社が破綻したら、保険契約はどうなるのでしょうか?
東京海上日動TAPのパンフレット兼重要事項説明書には以下のように記載されております。

保険会社破綻時の取扱い等
・引受保険会社の経営が破綻した場合等には、保険金、返れい金等の支払いが一定期間凍結されたり、金額が削減されることがあります。
・引受保険会社の経営が破綻した場合には、この保険は「損害保険契約者保護機構」の補償対象となり、保険金、返れい金等は、原則として80%まで補償されます。
*破綻保険会社の支払停止から3か月間が経過するまでに発生した保険事故にかかわる保険金については100%まで補償されます。

これは自動車保険の場合ですが、保険会社が破綻したら、破綻から3か月以内に発生した事故については100%補償されるが、それ以降は原則80%になってしまうということですね。

損害保険会社が破綻した場合については損害保険契約者保護機構のHPなどにて詳しく説明がされております。

保険契約者が、個人・小規模法人(常時勤務する従業員20人以下)・マンション管理組合である場合、損害保険契約者保護機構による補償の対象となります。【ただし、下表中、★印の保険は保険契約者を問わず補償の対象となります。】

常時20人を超える従業員が勤務する企業については、★印のついている自賠責、家計地震(住宅物件用地震保険)、自動車保険、短期傷害(保険期間1年以内の傷害保険)、特定海旅(海外旅行保険)などは損害保険契約者保護機構の資金援助等によって一定割合がカバーされますが、火災保険や賠償責任保険、動総、運送保険、労災総合などは保護されないことになっています。

損害保険会社破綻後は、重要事項説明書にもあるように保険金支払が一定期間凍結されたり、保険種類によっては破綻後に生じた事故についてまったく保険金が支払われない場合もあるということです。

保険料を払っているのに、事故時に保険金が払われないのはまったく理不尽なことだと思いますが、損害保険会社が絶対につぶれないとも言い切れないので、予め重要事項説明に謳っているのでしょう。

これまでに破綻した損害保険会社

戦後の1949年に設立された第一火災海上保険は、「マルマル保険」という積立型の保険が有名で、引受保険料の半分程がマルマル保険という時期もあったとのことです。高い予定利率で契約ができて、満期時には契約者へ支払った保険料をはるかに上回る満期金を支払う仕組みでしたが、バブル崩壊後の低金利時代到来の影響を受け、その高い予定利率が足かせとなり2000年に破綻しました。

第一火災海上保険の契約については損害保険契約者保護機構が引き取り、現在でも契約者対応を行っています。

1920年(大正9年)に設立された大成火災は小規模な損害保険会社で、主に再保険を引き受けていたとのことですが、2001年のアメリカ同時多発テロの影響で約700億円の保険金支払が発生、債務超過に陥り2001年に倒産しました。

そもそもその事故がなくても2002年4月には安田火災、日産火災と合併して損保ジャパンとなる予定だったそうです。そのまえに破綻してしまったため、大成火災で契約していた方々にとっては災難でした。2002年に先に発足した損保ジャパンに吸収される形となりましたが、自賠責や自動車保険、家計地震保険、個人の火災保険など一定の保険契約以外は、契約条件の変更が余儀なくされたようです。

大成火災は損保ジャパンが救済保険会社となり、損保ジャパン(現・損保ジャパン日本興亜)が契約者対応を行っていますが、救済保険会社が現れなかった第一火災海上保険は損害保険契約者保護機構が契約者対応を行っています。

まとめ

損害保険会社は、いまのところ上記のように2社しか破綻の事例がないことと、そのような前例を踏まえ各社、財務内容を強化しているので、格付的に見ても破綻するような会社はいまのところないようです。

たとえば2017年度のように大型の台風があったり、アメリカのハリケーンで保険金支払がかさんだと言っても最終的には十分な黒字決算となっています。

ただ、長期的に見れば収入保険料の半分以上を占める自動車保険が、自動運転技術などで事故が減り保険料が減っていくとすれば、経営は厳しくなっていくのかもしれません。

自社が契約している保険会社の財務内容や格付あたりは時折チェックしておく方が望ましいでしょう。また、もし破綻の兆候がある場合はすぐさま契約を解約して、他の保険会社に乗り換える方が良いかもしれません。

(注)当サイトでは保険について一般的と思われる内容を記載しております。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。

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