火災保険にはどんな種類がある?

火災保険にはどんな種類がある?

火災保険の対象物件と保険金額の設定

企業の火災保険の対象物件は主に以下の3つに分類して保険設計します。

建物・屋外設備 所有する建物や屋外設備。
(建物とは屋根および柱または壁を有するものをいう。)
屋外にある変電設備やタンク等は屋外設備となる。
設備什器類 建物内にある機械設備類、工具什器備品類。
商品製品類 販売する商品製品・原材料など
(直近1年間の平均在庫高を保険金額とする)

火災保険の設計にあたっては、建物、屋外設備、設備什器類、商品製品類に分けてそれぞれ保険金額を設定し、保険契約をします。

保険金額の設定にあたっては、新価または時価を選ぶことができます。
「新価」とは、保険の対象物件を再調達する場合にかかる金額をいいます。
「時価」とは、新価から使用による損耗分を控除した金額をいいます。
(ちなみに住宅物件は現在、ほとんどの保険会社で新価基準での契約しかできない)

新価は分かりやすいのですが、時価はいまいち分かりにくく、よく「簿価」と勘違いされることもあります。ちなみに簿価は最終残価が1円とかになってしまうので保険金額としては適さず、簿価を保険金額とするのは誤りです。

時価を選ぶのは保険金額を抑えることで保険料を節約することができるから、というのが最も大きな理由かと思います。ただし、事故時には経年減価を考慮されますので、基本的には実際の復旧にかかる費用を満額まかなえないと考えた方がよいです。

時価で分かりやすいのが車の例です。自動車保険の車両保険も付帯して契約している方ならお分かりいただけるかと思いますが、毎年車両保険の金額は下がっていきます。概ね中古車市場価格相当といえます。

時価額の計算については、たとえば建物であれば構造により年あたり1%~2%を減価させた金額を設定します。各保険会社では時価を簡易計算するための計算ツールや表を用意していますので、それらを活用して保険代理店または保険会社に計算してもらうと、より正しい保険契約になるでしょう。

ここで疑問が生じるのが、仮に年2%ずつ減価させた場合、築50年の建物は時価額0円になってしまわないかということですが、保険契約上は建物が十分なメンテナンスが行われて問題なく使用されている場合、その機能的価値を勘案し最終的な残価は新価の50%とすることが多いです。

築50年の建物でも、新価が2000万円だとして、時価額は1000万円として設定可能です。

機械設備類の時価額についてはざっくりでよければ年あたり5%減価させて計算します。
ただし機械類についてはその種類に応じて陳腐化(価値減少)スピードが速いものもあれば、価値を維持しやすいものもあります。保険金額を時価で設定する場合は、できれば機械の種類に応じて減価率を確かめた方がベターでしょう。

保険金額の設定は、保険契約上最も基本的な手順であり重要なことです。保険金額が実際の価値よりも低く設定された場合は、事故時にその割合分、保険金が減額されて支払われることもありますし、逆に保険金額が実際の価値よりも高く設定されていた場合は、保険料の払い過ぎを招きます。

保険金額の設定にあたっては、社内的に差支えないなら「固定資産台帳」を保険代理店や保険会社に提供したり実際の物件を見てもらい、妥当と思われる保険明細を作成してもらうのが付保漏れや間違いを回避することにつながるでしょう。新規取得物件であればその「見積書」をベースに保険金額を設定します。

また、間違いが多いのが「門塀垣」についてです。門塀垣については物件区分や保険商品によって建物類に含める場合と、別個に保険金額を設定する場合がありますので、特に気を付ける必要があります。風災や車の衝突などで損害を受けやすいので保険の対象に含まれているかきちんと確認しておきましょう。

物件区分

火災保険では以下のように物件を区分し、それぞれの物件に応じた火災保険商品を用意しています。物件区分を明確にし、また、建物構造や都道府県、用途、築年数などに応じそれぞれ適正な保険料率を計算することで契約者間の公平性を保つことにつながります。

住宅物件 住宅専用の物件。戸建て住宅、マンション区分所有部分等。
一般物件 工場物件 倉庫物件 工場物件・・主に製造を行う建物
倉庫物件・・主に荷物等を保管する目的の建物
一般物件・・事務所、店舗、商業施設、病院など
マンション共用部 マンション共用部。マンション管理組合が契約者となる。

物件区分ごとの火災保険商品

各保険会社では物件区分ごとにそれぞれ火災保険商品を用意しています。「火災保険」というのは通称であり、現在では「火災保険」という商品名で販売されているケースはほぼなくなってきています。

▼保険会社別の火災保険商品例(2018.6時点)

住宅物件 一般・工場・倉庫 一般・工場・倉庫(※大規模物件) マンション共用部
東京海上日動 住まいの保険 超ビジネス保険
企業総合保険
企業財産包括保険 新マンション総合保険
損保ジャパン日本興亜 THEすまいの保険 ビジネスマスター・プラス
企業総合補償保険
企業総合補償保険 マンション総合保険
三井住友海上 GKすまいの保険 ビジネスキーパー 企業財産包括保険 GKすまいの保険

※大規模物件は各保険会社により定義が異なるが、保険金額がおよそ3億円以上、または10億円以上を大規模物件とすることが多いようです。

まとめ

ほとんどの企業(法人)が加入している火災保険ですが、保険金額が妥当か、または場合によってはほかの商品に変えることもできるかもしれませんし、保険会社間の比較をすることで保険料を大きく減らすことも可能です。新規契約または次回の更新の際は、保険の対象物件や保険金額、他の選択肢など確認してみてはいかがでしょうか?

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